令和6年
 


 地球温暖化のせいなのか気候変動のせいなのか、近頃の夏は命の危険がともなうような猛暑や線状降水帯などという大雨もあり、どうやってこの夏を乗り越えて行けばいいのかと心配になることもありますね。
 まずは節制して体調管理とがもとめられる夏ですね。
 皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 新型コロナウイルスによって、変則的開催となって前回より三年ぶりにフランスはパリでオリンピックが開催されます。そして今年は甲子園球場100周年ということで、炎天の中で白球を追う夏恒例の高校野球も熱をおびそうです。
 スポーツ好きの方でなくとも、心躍る熱い夏でもありますね。
 オリンピックは平和の祭典と言われますが、ウクライナやパレスチナの人々をはじめとして、国内外の紛争のために出たくとも出られないアスリートの方々が多数いらっしゃいます。
住む場所を失い練習も出来ない人、戦にまきこまれ負傷した人、そしてかけがえのない命を失った人、悲しいことですね。
 考えて見れば、今では様々な競技が行われますが、昔のオリンピックの競技は戦のためのものがほとんどでした。マラソンをはじめ槍投げ砲丸投げ棒高跳び等々陸上競技はすべてそうでした。
 それが科学技術の発達により、戦の武器は人間から機械に置き換わっていったのです。
 今の私たちが豊かに快適に暮らすことが出来るようになったのも、武器の性能向上という戦争を糧とした科学技術の発達にもあるのですね。
 今の私たちが豊かさを享受しているその陰には、数えきれないほど多数の人々の犠牲があったことを忘れてはいけません。
 人と人とが殺し合う戦争、決して許されるものではありません。
 夏はお盆の時期です。
 お盆は、今ある自分の命は、亡くなっていった沢山の命と、今ある沢山の命のつながりによってある命であることを、見つめなおす行事です。
 他の命の苦しみ悲しみを自分のこととして共に苦しみ悲しむ。
 他の命の喜びを自分のこととして共に喜ぶ。
 今の私の命は他の命のおかげであることを学ぶのがお盆の行事です。
スポーツでよく言われる言葉に
「勝った!という喜びの裏に、敗れて泣いているもののあることを、そっと感じたいものだ」というものがありますが、スポーツばかりではなく、今のあなたの幸せの陰には泣いている人が沢山いるということを感じたいものですね。
 お盆の時、誰にもお参りもされずに泣いている精霊にも思いを馳せて、供養したいものですね。