お正月の行事(修正会)
この法会は、新年最初に行う、新しい年の始まりを祝う法要です。 この法要が、全国の寺々で行われるようになったのは、奈良時代の神護景雲元年(西暦767年)、勅命によって大法会が行われてからといわれています。 この法要の特徴は、個人の幸福や、故人の冥福を祈るためのものではなく、天下泰平・風雨順時・五穀成熟・兆民快楽など、すべての人々の幸福を祈るところにあります。 本来、元旦の早朝に修する法要ですが、檀信徒等が一同に会して行う寺も多く、日時に決まりはありません。 浄土宗では、修正会の法要中に、祝聖文(しゅくしょうもん)という次のような偈文をお唱えします。 天下和順・日月清明・風雨以時・災厲不起 国豊民安・兵戈無用・崇徳興仁・務修礼譲 その意味は 「世界中が平和で、日も月も清明で、雨風は時を以って、災害等が起こらず、国は豊かに人々は安らかに暮らし、一人一人のすぐれた才能を貴び、思いやりの心を起こし、譲り合いの精神をすべての人が持てますように。」と言うようなものです。 世界中の人々が、同じ想いを持っているはずだと思いますが、ついつい「怒りと、むさぼりと、愚かさ」の心から、この願いが叶う年はなかなか訪れません。 しかし、一人一人すべての人々が、この言葉を噛みしめていけば、きっと、願いが叶う日が来るはずです。この世が極楽浄土になる日が来るはずです。あきらめずにお勤めいたしましょう。 |